どんな子におすすめ?

『つくしちゃんとおねえちゃん』(いとうみく 作/丹地陽子 絵/福音館書店 刊)
『つくしちゃんとおねえちゃん』(いとうみく 作/丹地陽子 絵/福音館書店 刊)

 つくしちゃんと同じく、おねえちゃんのいる妹という立場の子にぴったりのお話ですが、おねえちゃんの立場の子が読むと、「妹や弟は自分のことをこんな風に見ているのかも」と新たな気づきを得られることでしょう。「おねえちゃんがいたらいいのにな」と憧れる子にもおすすめです。

 このお話が教えてくれるのは、人にはいろいろな一面があるということ。自分のことだけで精一杯で、相手を思いやる余裕がないと、いつもとは違う一面は見えてきません。妹視点で描かれていますが、妹を思うおねえちゃんの気持ちもじんわりと伝わってきます。特別な事件は起こりませんが、日々の暮らしの中で大切なことをそっと教えてくれる一冊です。

 続編『つくしちゃんとながれぼし』もあわせてどうぞ。

【絵本の次に読みたい童話】何事にも一生懸命なこぶたの男の子が主人公 いっしょに成長できる、ほのぼの日常系のお話
つくしちゃんとおねえちゃん (福音館創作童話シリーズ)

いとう みく,丹地 陽子

つくしちゃんとおねえちゃん (福音館創作童話シリーズ)
つくしちゃんとながれぼし (福音館創作童話シリーズ)

いとう みく,丹地 陽子

つくしちゃんとながれぼし (福音館創作童話シリーズ)
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加治佐志津
ライター 加治佐志津

新聞記事やWEBメディアの編集・執筆を経て、2009年よりフリーランスライターに。絵本と子育てをテーマに取材・執筆を続ける。これまでに取材した絵本作家は100人超。漫画家の夫と2013年生まれの元子鉄の3人暮らし。

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