――当時の杉浦さんのブログを拝見すると「お酒が好きで結婚前までは仕事が終わると友人のバーで一杯飲んで帰るのが日課だった。でも今は家が落ち着く」という心境の変化が綴られていました。頑張って自分を律する面もありましたか?

 試行錯誤した時期はありました。周りの友だちは飲み歩いているような年齢ですし、羨ましさもあった。友だちに「結婚してつれないやつになった」と思われるのも怖かった。でも、そういう飲みの場に出て行くと夫婦の喧嘩の原因になるんです。

 僕、家に帰った時、ピリついた空気になるのが一番嫌なんですよ。居心地のいい、帰りたい家にするためにはどうすればいいかと俯瞰で自分を見て、妻の嫌がることはやめよう、じゃあ飲みに行くのをやめようと、自分を律したというのはありますね。親友からも「俺たちは一生友だちだから、今は家庭を優先して大事にしてあげて」と言われたことも背中を押してくれた。

 ただ、どんな親友でも僕の置かれた状況や気持ちに対して「共感」はしてくれない。いろんな思いを共感し合って共有できる相手は妻しかいなかった。そこは大きかったかもしれません。だから、二人三脚で助け合いながらやってこられたんじゃないですかね。

辻さんが絶対に言わないこととは?

――「共感」「共有」が夫婦の絆を強くして子育てできるコツですか?

 結婚した当初から母親には「とにかく、のんちゃんを大事にしてあげなさい」と強く言われてきました。常に「今どんなことに困っている?」「俺にできることない?」と話を聞いて、思いを共有して、自分にできることをしてきたと思います。なるべく仕事のスケジュールを合わせて子どもの予防注射とか検診も一緒に行きますし、子どもが熱を出したら二人で必死に看病したり、病院を調べて「どこどこ病院の○○先生が評判いいみたいよ」みたいな情報も共有したり……。最初は直面することに対して必死で対応していくだけでしたが、4人育てるうちに、子どもの病気についてはめっちゃ詳しくなりました(笑)。

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