土星観測の好機は9月から1月 望遠鏡で観測してみよう
ただし、土星は地球から一年中いつでも観測できるわけではない。土星が地球から見て太陽のすぐ近くにいる春の時期は、土星は昼の空にしか現れず、見ることはほとんど不可能だ。9月から来年の1月にかけてなら、土星は太陽から離れ、夜の空に現れるので、観測に適している。先ほど解説した環が消える時期のうち、この期間に当てはまるのは11月25日だが、せっかくなら9月ごろから土星の観測を始め、環の見え方の変化を確認したい。
この期間は、夜の早い時間帯に、東から南の空に土星を見つけることができる。秋の夜空には明るい星が少ないので、夜の8時ごろ東から南の空にいちばん明るく見える星があったら土星である可能性が高い(※1)。インターネットやスマートフォンのアプリも使って、探してみよう。
ただし、土星の環の観測には望遠鏡が必要だ(※2)。望遠鏡の性能や観測条件がよければ、環だけでなく、土星の衛星や土星のしま模様も観測できるかもしれない。地元の天文台などが主催する星空観望会があれば、高性能の望遠鏡を使って、より詳しく観測できるので、ぜひ参加してみてほしい。
こうして観測を続けていき、11月25日にいよいよ環が消えた土星を観測できれば、充実感を味わえるにちがいない。あいにく、雨や曇りだったら……、15年後の次のチャンスを待とう!
(文/上浪春海 画像・資料提供/国立天文台 縣秀彦 図版/マカベアキオ)
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