「おやじの会」出身者が中心になっているケースも
――例えばどんな事例がありますか?
東京都大田区にある嶺町(みねまち)小学校では、十数年前から「PTO」(Parent Teacher Organization)と名付けた団体で活動しています。保護者の参加を強制せず、「できるときに、できる人が、できることをやる」をモットーにしています。お父さんもお母さんも関係なく盛り上がっている事例です。
また、千葉県船橋市の塚田南小学校では、「おやじの会」メンバー出身のお父さんたちが中心となって活動しています。以前、子どもたち向けのスタンプラリーを開催しているとき、私も見に行かせてもらったことがありますよ。いい雰囲気でした。
――開催する大人も子どもも、純粋に楽しめそうですね。そういうPTAのあり方でもいいということですね。
これまでのPTA活動をベースに考えてしまうと、意識していなくても性別役割分業が残ってしまったり、「学校のために我慢してやるもの」という思いを抱いてしまったりして、うまくいかないことも。行政や学校から頼まれる活動が、重い負担となっているケースもあります。
でも、断る勇気も必要だと思います。誰も手を挙げない活動は思い切ってやめにして、本来、行政が行うような仕事は行政に返す。もしかすると、これまで少なかった父親の参加が増えることで、あえて「空気を読まず」はっきりと断りやすくなることもあるかもしれません。活動のスリム化などを進めるうちに、風通しの良い自由な活動をしやすくなるのではないでしょうか。
(取材・文/玉居子泰子)
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