<神田さんがマンガをすすめる4つの理由>
1)言葉に触れる時間が増える
勉強って、勉強以外の時間に「どれだけ学びにつながるような物事に触れられるか」で差が生まれます。マンガを読むことは、まさにその一つ。楽しみながら自然と言葉に触れられるのが魅力です。
2)語彙量が増える
本の場合、わからない言葉の割合が3%を超えるあたりから、読み進めるのが難しくなるというのが僕の実感です。そのため、自分の語彙レベルよりも易しい本ばかり手に取ってしまうので、語彙を増やすには効率的ではありません。
一方、マンガの場合は絵が補ってくれるので、例えば「絶望」という言葉を知らなかったとしても、「絶望」という言葉とともに頭を抱えているようなイラストが描かれていたら、何となくでも言葉のニュアンスがわかりますよね。だから自分の語彙レベルよりも難しい作品にも挑戦できるし、「自然かつ使える言葉」を身につけられると思います。
3)強弱をつけて読む練習ができる
生徒たちを見て感じるのは、国語力が高い子ほど、文章に強弱をつけて読めているということ。話を聞くときも、私たちは自然に「大事な情報」と「そうでない情報」を頭の中で整理して理解していますよね。
でも、子どもはまだまだそれが苦手です。それなのに、本は同じサイズの文字がずらりと並んでいて、パッと見では大事なところがわかりにくいんです。対して、マンガはコマ割りや文字の大きさなどで強弱が一目瞭然ですから、緩急のリズムをつけて読む練習にもおすすめです。
4)行間を読む力がつく
マンガは少ないコマの中でストーリーを展開するぶん、セリフやイラストにこめられた「行間」を読み取る力が求められます。僕自身、小学生のときから大人向けのマンガを読んできて、行間にこめられているような複雑な心情や難しい論理なども学べたと思っています。
おすすめは「4コママンガ」
――マンガを選ぶ際の注意点はありますか?
語彙量を増やすためには、少し難しめの言葉が使われている作品を選ぶといいと思います。もちろん大人向けの作品でもいいですが、何にせよ、長編よりは短めのもののほうが読みやすくておすすめです。ちなみに僕の“推し”は4コママンガ。厳選された言葉とともに4コマで言いたいことを伝えていて、とくに「行間を読む練習」になると思います。
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