――マンガといえば学習用の歴史マンガなどもあります。
社会の勉強にはぴったりですが、国語力を高める目的としては、あまりおすすめしないですね。なぜなら、歴史マンガは知識を身につけることに目的を置いているので、行間がほとんどないんです。説明しきれないことや矛盾、複雑な感情を読み取る力を鍛えるなら、ほかの作品を選んだほうがいいと思います。
――神田さんのイチオシ作品を教えてください。
イチオシは、僕自身も子どものころに好きだった、サラリーマンのギャグがてんこ盛りの4コママンガ『かりあげクン』(双葉社)や、OLの“あるある”を描いた『OL進化論』(講談社)ですね。
告白しそうでしなかったり、すれ違ってしまったり……そんな恋愛マンガも、心情を読み取るにはうってつけです。例えば『めぞん一刻』(小学館)や、恋愛マンガではないですが『3月のライオン』(白泉社)もおすすめです。
さらに、100m走を題材にした『ひゃくえむ。』(講談社)は、主人公とライバル選手との対比がわかりやすい構図で描かれていて、やはり行間を読むにはいいと思います。
そして何よりおすすめしたいのが、保護者の方が読んでいる作品です。どんな内容かがわかっていて安心だし、親子で一緒に語り合えるというよさもありますよね。ただし、子どもに理解を求めすぎず、気楽に楽しむことが大切です。だって、マンガなんですから。
(取材・文/竹倉玲子)
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神田直樹


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