永井 男子校だと難しい話よりも、まず「血が出るんだ、生理って」というところから始まる生徒もいるから、女子校とは内容を変えていますね。女子校だと、「女だから知ってるでしょ」みたいになりがちなので、同じ女性でも「人によって症状は全然違うんだよ」って知ることも大事だなと考えています。

守谷 私たちは生理に伴う不調で、普段通り学校や仕事に行けない、活動できないことを「損失」ととらえています。それには「知識不足による損失」と「現段階の医療ではどうしようもできない損失」という2つの視点があると考えています。私たちはそのうち「知識不足による損失」を少しでも減らすための伝え方を意識しています。

 例えば、タンポンという生理用品を知らなかったら、「プールに入りたい」と思ってもできないけど、知識があれば解決できる。まず私たちにできるのは、知識を伝えることだと思い、より理解が広がり、助け合えるようになっていくといいなと思います。

企業の講座は新しい知識を得られるよい機会に

――ユニ・チャームさんなど企業とのコラボレーションについても教えてください。

永井 企業とコラボするというのはクレア特有というより、私たちの学校の特徴なんです。品川女子学院は中学生のころから「起業体験プログラム」があり、さまざまな企業とコラボするなかで、働いている方と話したりやり取りしたりする機会が豊富です。

 クレアでは自分たちの力でできないところを企業の方に助けてもらい、私たちの活動が広まるよう工夫しています。頑張ってインスタで発信はしているけど、取材してもらえたら活動がもっと広まるし、いいことですよね。

――企業でも生理を学ぶ講座を開催されていらっしゃいますよね。学校での講座との違いはありますか?

守谷 全然違います! こちらの盛り上げ方も違いますし、アイスブレイクのクイズも変えています。大人の方はロールプレイの後のワークショップで「ここはこうした方がいい」というさまざまな意見が出て、すごく盛り上がります。

 また女性社員の方からは、普段言えなかった生理についての思いが語られる場になって、「講座を受けてよかった」という声がすごく多いです。

大河内 ある企業で講座をしたときは、海外出身の参加者の方もいて、他の国での生理に対する考え方も一緒に話すことができました。学校ではなかなか他の国の人と話す機会はないので、クレアのメンバーも新しい知識を吸収できたよい機会でした。

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