でも私にとって仕事は、生活のためだけじゃなく、生きるためのエネルギー源でもあるんです。仕事は大変だけれど、自分のことだけを考えればいい時間。そこで発散するからこそ、家で子どもに真正面から向き合えていると思うんです。
――娘さんたちは理解してくれていますか?
さびしい思いになんとか折り合いをつけてくれているなあって、思うことも多いです。
だからこそ私の作品を見てもらいます。「ママは私たちのそばにいられない時間で、こうやって人に楽しんでもらう仕事をしているんだ」「本当は学校に来てほしいけれど、仕方がない」って思ってもらえるように、全力投球しなくちゃと思っています。
夢に向かう娘たちが、私の背中を押す
――2024年、25年とミュージカル『アニー』に出演されますが、ミュージカルの経験はまだ浅いそうですね。
そうなんです。23年に『ピーター・パン』に出演したのがミュージカル初挑戦で、『アニー』はまだ2作目。「私でいいんですか?」という状態でした。

――40代後半で新たな挑戦に踏み出せたのはどうしてですか?
娘たちの影響は大きいですね。彼女たちは今、希望のかたまりなんです。長女は薬剤師になるという夢を見つけましたし、次女は美術部に入って絵を描くのに夢中です。最近は全国公募の美術展に挑戦しようと、必死にがんばっています。
あれもやりたい・これもやりたい・やりたいことだらけ……そんな充実した毎日を生きる娘たちを見ていると、なんだかうらやましくなっちゃって。
アラフィフだって恥をかいていいし、できることだけをやって満足するなんてつまらない。そう思えるようになりました。
――ミュージカルに挑戦するお母さんを、子どもたちは応援してくれましたか?
それはもう、親のように(笑)。
家で練習していると、ピアノが上手な長女は「音程を合わせてあげようか?」ってピアノを弾いてくれるし、次女はダンスが得意なので基礎的なことを教えてくれました。
昨年、本番の舞台も観に来てくれたんですが、娘たちは私以上に緊張してみてくれたみたいで、終わったあとに「あそこ、ちゃんとできてたね!」「すごいよ、ママ!」ってたくさん褒めてくれました。「緊張してお話に集中できなかったから、もう一回みていい?」って、まるで母親です(笑)。
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