だからといって全面的に子どもの味方ではなく、ときには娘たちに「そういう言い方は、ママに対してよくない」とも言ってくれて、家族それぞれの立場をわかってくれている人でした。
だから、子どもたちもときどき「パパならきっとこう言うかな?」と心の中のパパに問いかけることがあるみたいです。
思春期の子には「逃げ場」が必要
――思春期の子どもを育てるうえで心がけてきたことはありますか?
「逃げ場」をつくってあげたいな、と思っていました。
親が私1人なので、何かあったときに1対1でにらみ合うことになってしまいます。そんなときには、おばあちゃんにグチを言ってもいいし、姉の家に駆けこんでもいい。母や姉に「そうだよね、理彩ってそういうところ、よくないよね」って共感してもらえば少しラクになりますよね。
あと、「嫌なことがあったらメモしなさい」と言っています。最初は、「いじめがあった証拠になるし」と思って書かせたのですが、それ以来、娘たちは何か腹が立ったときやイライラしたときにノートに書くようになりました。その中に私の悪口もあるんですけどね(笑)。
長女の場合、それがいつのまにか「パパへの手紙」になっていました。もちろん、私のグチをパパにも書いているんですけど(笑)。
でもそうやって自分の中で上手にバランスをとってくれたらいいな、と思っています。
――すごくいい関係ですね。ちなみに……その手紙はママが見たりするんですか?
あ~、チラッと……です(笑)。それでさり気なくフォローできたらいいな、と思っています。
「ママは人を喜ばせる仕事をしている」
――仕事と子育ての両立で悩むことはありましたか?
事務所のスタッフは、子どもの行事などを優先してスケジュールを組んでくれるので、そこは甘えさせてもらっています。
それでもミュージカルなどの舞台はスケジュールが決まっていますから、娘たちの学校行事にどうしてもいけないこともあります。地方公演があれば泊まりがけにもなります。
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