親に求められて生まれてきたことを理解する

――思春期になると性的なことに興味が出てくるお子さんもいます。「子どもが性的なことに誘われたら?」「性的なことで相手のお子さんを傷つけてしまったら」と心配される親御さんもいるかもしれません。

 性的なことに興味を持つことは、とても自然なことです。ですので、過剰に神経質になる必要はありません。学校でも性教育は行われますし、その時期かなと思ったら、女の子は母親から、男の子は父親から性に関する話をすることをおすすめします。

 最も大切なのは、性教育以上に父親と母親が互いに信頼し合って、様々な対話をする姿を子どもに見せることだと思います。時には対立することがあるかもしれませんが、話し合い修復する姿を見せることも大事です。子どもはそうした日常の中から、多くのことを学びとっていきます。

 また、両親の馴れ初めを話すのもとてもよいと思います。その中で、親に求められて生まれてきたことを理解し、親が責任をもって家族を作り、育ててくれていることを感じることが、恋愛する準備にもつながっていくと思います。

――シングル家庭などの場合、両親の姿を通して伝えるのが難しい状況もあると思います。そのような場合は、どのように伝えるのがのぞましいですか。

 シングルペアレントの場合、それが難しいと感じるかもしれませんが、そうではありません。子どもにとって大切なのは親が幸せであることです。事情があって別れたとしても、その後それぞれの親が幸せに生きている姿を見れば、子どもは両親から学ぶことができます。

子どもを「寂しい子」に育てないことが重要

――ほかにも心掛けたほうがよいことはありますか。

 恋愛をしていると、「今の私は、この行為は嫌だな」と感じることがありますよね。そういった感情にどう対処するかを学ぶことも大切です。そして、嫌だと感じることに対して、相手にはっきりと「嫌だ」と言えることは、自分自身を大切に思っている証拠です。もし自分を大切に思っていなければ、相手に好かれるために嫌なことでも流されてやってしまうかもしれません。そうならないためにも、これは男女の恋愛に限らず大切なことですが「寂しい子」に育てないことも重要だと感じています。

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