「クラスにカップルになった友だちがいる」「友達が告白された」――お子さんからこんな報告を受けたことはありませんか? ニフティキッズの調査(2024年)によると、小学生の9割が「好きな人がいる」と回答し、そのうち5人に1人が「付き合っている」と答えました。恋愛の低年齢化が進むなか、親として心がけたいことはどんなことでしょうか。NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんにお話をうかがいました。※後編<小中学生の恋愛と性、スマホとの向き合い方を専門家が指南 子どもを「寂しい子」にしないことが大切な理由とは?>に続く

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まず歓迎して話を聞くこと

――最近、知り合いから「小学2年生の娘が好きな子から告白されて、付き合い始めた」という話を聞きました。子どもたちの間では「両想い=お付き合い」という認識もあるようですが、恋愛の低年齢化にはどんな背景があるのでしょうか?

 今の子どもたちは、インターネットやSNSを通じて、少し年上の恋愛事情に触れる機会が増えています。また、漫画やアニメでも恋愛をテーマにした作品も多く、「恋愛は普通のこと」「自分もしていいんだ」と感じるようになっているのでしょう。

 さらに、大人も「好きな子いるの?」と子どもに気軽に尋ねるようになり、男女の交際に対して寛容な考え方が広がっていますよね。こうした環境の変化が、恋愛の低年齢化に影響しているのかもしれません。

――確かに、カップルYouTuberに憧れる年長の女の子が「将来、私も恋人できるかな?」と楽しみにしているという声も聞きました。もし、子どもに「今日、告白された!」と報告されたら、親としてどのようにふるまったらよいでしょうか。

 まずは歓迎して、よく話を聞くことだと思います。内心ではびっくりしていても、「あら、なんて言われたの?」と普通に聞くといいと思いますよ。

 あまり過剰に動揺したり、心配して根掘り葉掘り細かく聞かれたりすると、子どもは「この話しちゃいけなかったのかな……」と感じて、話をしてくれなくなってしまうかもしれません。

――なるほど。心構えをしていないと、つい動揺してしまうこともありますね……。

 小学生で恋愛感情を持つということは、ごく普通で自然のことだと思います。それに、「告白された」といっても、何をもって告白されたのかは、ちゃんと話を聞いてみないことにはわからないですよね。だからまずは、否定せず興味を持って子どもの話に耳を傾けるということが大事です。そうすることで、だんだん様子が分かってきて、そんなに心配する必要もないなということがわかってきます。

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柳澤聖子
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