だけど、選手に選ばれた「授業中ろくに練習もせずふざけていた人」というのが本当にそうなのか、ちょっと考えてみてほしい。ちーぼーくんから見たらかなりふざけていたのかもしれないけど、実は効率がいい練習をしていたのかも。それに、ラグビーは団体戦だから、チームのムードメーカーという役割があったのかも。

 せっかくちーぼーくんががんばれたことなのに、それが他人への憎悪や自分への諦めに変わってしまったらもったいない! 真面目にやるだけでは本当に駄目なのか、いっしょに考えていこう。

もっとズルくなったほうがいい?

 よしおは周りの人たちといっしょにちーぼーくんのお悩みを考えた。なかには「もっとズルくなったほうがいい、真面目すぎるんじゃないかな?」という意見を言う人もいた。たとえば、先生に対してアピールがうまくできるようになるとか、トレーニングももっと効率がいい方法を探すとか。

 でもよしおは、ちーぼーくんはそのままでいいと思う!

「結果は出なかった」というけど、そこまでこだわらなくてもいいと思うんだ。そりゃあ、やったからには結果がほしいという気持ちはすごくわかる。よしおも「俺が一番がんばっているのになあ」って思っている時期もあったし、ピッチャーとして結果が出せなくてすごく悔しい思いをした。だけどその時の練習で筋トレをがんばって下半身を強化していたおかげで、最後の試合に四番バッターで出ることができたんだ。

 努力って、目指しているものに直結するとは限らない。だけど、努力できたこと、苦手なことに立ち向かえたこと、っていうのが何よりも大事だと思うんだ。だってそのがんばれる力っていうのは、ほかのことにも応用が利くから! これからどんな苦手なことや困難がやってきても、乗り越えるための力になるはず。

 自分でがんばったと思えるくらいがんばるって、なかなかできないぜ。今回はラグビーの授業だったけど、この調子でちーぼーくんには努力することを続けてみてほしい。

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