どんな子におすすめ?

 まじめで、周囲に合わせようとしてしまう子に、おすすめ。山田ほのかちゃんがこう言います。「わたしね、ときどき、わざと うくんだよ。だって つかれちゃうんだもん」……。浮くことは、心を守り、育てていく大切な技術。子どもも大人も共感するはずです。

『ぼくは、ういてる。』(なかがわちひろ 作/のら書店 刊)

 また、自分の世界に入り込む力がある子、逆に言うと小学校などでときどき“周囲と合わせるように”と注意されてびっくりするお子さんが、家に帰ってきてモヤモヤしていたら、そっとそばに置いておいてあげたい絵童話です。親御さんが心配する場合もあるかもしれませんが、親御さんもぜひ一緒に読んでみてください。作者・なかがわちひろさんのユーモアが伝わってきてほっとしたり、「うくこと」をちょっぴり楽しみたくなったりするはず。「大丈夫、大丈夫!」と背中を押してくれますよ。

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ぼくは、ういてる。

なかがわちひろ

ぼくは、ういてる。
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大和田佳世
ライター 大和田佳世

絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て2009年よりフリーランスに。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」や朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」などの他、雑誌「MOE」、出版社の各Webメディアで執筆。作家、翻訳家へのインタビュー多数。小中高の3人の子と暮らす。

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