おすすめポイント

 何かに夢中になっているときや、退屈して他の人と違うことを考えているとき、「ういてる」ことが多い一平くん。自分なりに「うく」おもしろさを見つけて楽しむ姿には、「もしかして自分も周囲からういてる?」と感じる子も勇気づけられるかも。

 一平くんが、山田ほのかちゃんも「ういてる」ことに気づいた日、ふたりはおしゃべりをして一平くんはいろんなことに気づきます。ふたりの心模様が、文字の大小、イラストの色、レイアウトによって浮かび上がるように工夫され、読む子にとっても、心の“発見”や“気づき”につながっていきそうな絵とストーリーです。

『ぼくは、ういてる。』(なかがわちひろ 作/のら書店 刊)

 作者は、翻訳家・作家・画家として多くの童話作品を手がけるなかがわちひろさん。作品に漂う空気は明るくあたたかく、子どもたちへの自然なエールが伝わってきます。本書は『すてきなひとりぼっち』(のら書店 刊)に続く、同じ主人公・一平くんのお話の第2弾ですが、どちらから先に読んでも大丈夫です。

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