――安否確認しようにも、電話はなかなか通じませんでした。
電話が通じなくても、SNSではつながったという例は多くありました。お子さんたちがスマホを持っているなら、LINEはもちろん、インスタグラムやXなどのアカウントも共有しておけばダイレクトメッセージを送ることができます。
災害用伝言ダイヤル「171(いない)」も役に立つと思いますから、使い方を親子で確認しておくことも大切です。
また、被災地から遠い場所なら電話が通じるというケースもあります。遠方の親戚の連絡先なども共有しておくといいですよね。
携帯電話を使うようになって、お互いの電話番号を暗記していないことがほとんどです。スマホの充電が切れたときのことも考えて、手書きで連絡先のメモを持っておくことも大事だと思います。子どものランドセルにも、親の電話番号を入れておきましょう。
――災害に備えた「わが家の約束」みたいなものはありますか?
大きな地震があったら、まず家に集合することにしています。家の耐震性が高いので、わが家の場合は避難所よりもまずは自宅避難がいいと思っています。
あとは、遊びに行くときに「今日は〇〇公園に行く」「△△ちゃんの家に行く」など、必ずひと言伝えるように言っています。できれば、「〇〇公園のあとは児童館に行くと思う」など、移動先についても教えてね、と言っています。
――親子で災害時の行動について話し合うことも必要ですね。
ただ、教えることがあまりたくさんだと子どもは覚えきれないんです。だから「家の中で地震があったら『安全ゾーン』にいてね」ということは伝えていますが、あとはさきほどお話したようなことくらいにとどめています。
教えるときにも、不必要に恐怖を感じないように気をつけています。私の場合「では質問です!いま大きな地震があったらどこに行きますか?」とクイズ形式にしたりして。
それでも子どもたちの心にはちゃんと残っていて、いざというときに身を守る手段になると思うのです。
【マンガ】アベナオミさんのコミックエッセイ「ミニマル防災」、震災体験を描いた「被災ママの体験から考える防災」(『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』/Gakken)を読む(全13枚)
(構成/神 素子)
アベナオミ

