阪神・淡路大震災から30年が経ちました。改めて、防災について考えてみませんか。宮城県在住のイラストレーター・アベナオミさんは、2011年3月11日に東日本大震災に遭遇しました。その後、防災士の資格をとり、自身の被災体験を描いたコミックエッセイも出版しています。現在、中3・小3・年長の3人の子どもを育てながら、防災士として「無理のない防災」「生活の中になじむ防災」を提案し続けています。各地で頻発する大災害。「いざというときのための準備が必要なのはわかっていても、なかなかできない」という人のために、アベさんが考える「最低限これだけは!」の準備を聞きました。

MENU 結果がいつ出るかわからない備えは、とても難しい 対策1:家の中に「安全ゾーン」を作ろう 対策2:「自宅避難」か「避難所か」を事前に確認 対策3:非常用トイレは最低でも1人1日5回×3日分用意 対策4:1人1日3リットル×最低3日分の水を用意 対策5:カセットコンロなどの火力はマスト

結果がいつ出るかわからない備えは、とても難しい

――全国各地で頻発する自然災害。「準備しなくちゃ!」とは思うのですが、一般的な「防災品リスト」は数が多すぎて、お金もかかるし収納場所もない。つい先延ばしにしてしまいます……。

 その気持ち、よくわかります。いつ起きるかわからない災害のための準備をするのは、ダイエットより難しいと思います。ダイエットは「やせた」「太った」が一目瞭然ですが、災害の備えは結果がいつ出るかわからない。成果が見えないもののために努力するのって、とても難しいんです。

 だから、生活になじむ、無理のない最低限の備えから始めてほしいと思っています。

【マンガ】震災体験を描いた「被災ママの体験から考える防災」を読む(全8枚)

――ぜひその「最低限のライン」を教えてください。できれば……5つに絞って!

 5つはとても少ないのですが、私が考える「最低5つの対策」はこれです!

対策1:家の中に「安全ゾーン」を作ろう

 災害時にまずやるべきなのは、自分の身を守ることです。

 そのために、室内に安全な場所を一カ所つくりましょう。家族が普段一番長い時間をすごす場所がいいと思います。

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神素子
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