首都圏を中心に相変わらず人気がある中学受験。競争の激しさが増す一方で、親も子も目の前の「受験勉強」に追われがちです。しかし、改めて中学受験をする意義を考えたい、と語るのが4人の子ども全員を東大理三に合格させた佐藤亮子さんと、数多くの受験生を志望校合格へと導いてきた中学受験専門カウンセラー・安浪京子さん。本記事では、2人の共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』から一部を編集し、その“中学受験の効用”をお届けします。

MENU GIGAスクール構想、ここが落とし穴! 算数の勉強は絶対ノートがいい 省エネ・コスパ思想は危ない!

GIGAスクール構想、ここが落とし穴!

安浪:今はGIGAスクール構想のもとでタブレットやパソコンが1人1台与えられていますけど、まともに書けないうちから与えて、授業の感想なんかも入力させちゃうからますます書けない子を増産しています。でも、そこに危機感を覚えている家庭はタブレットやパソコンに寄りかからないようにされていますね。

佐藤:そうそう。だからもう人間を育てるのには根本的に何が大事か、というのを見誤っているんですよ。学校がやっていることがいつも正しいとは限らないので、学校は学校でいいんです、家でちゃんとやれば。うちではもう山のようにノートを使っていましたから。

安浪:タブレットでいいなと思うのは、理科とか社会の資料やデータを見たり、リアルな動画を見られること。あと英語の勉強にもいいですよね。

佐藤:英語は絶対タブレットがいいです。ちょっと単語や文章を書くだけで、パッと発音をしてくれたりします。

安浪:学校の先生よりきれいな発音でね。

佐藤:私が今英語の教師をしていたら、絶対タブレットを使います。

算数の勉強は絶対ノートがいい

安浪:家庭教師の立場から言わせてもらうと、算数のアウトプットは絶対にノートです。塾に行かせているのに、ノートがもったいないって言う方もいますね。そんなとこケチらないでくださいって思いますが。高い授業料払っているのになんでノート代をケチるのか、不思議です。

佐藤:鉛筆やノートはチマチマ使うんじゃなくて、常にたっぷりある状態じゃないと。チマチマ使う人に限って算数なんかでも大学ノートにきっちり1行ずつ書いたりするんだけど、それじゃダメだぞ、と。余白を作ってゆったり書くことが大事。

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佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は佐藤亮子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

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