首都圏を中心に相変わらず人気がある中学受験。競争の激しさが増す一方で、親も子も目の前の「受験勉強」に追われがちです。しかし、改めて中学受験をする意義を考えたい、と語るのが4人の子ども全員を東大理三に合格させた佐藤亮子さんと、数多くの受験生を志望校合格へと導いてきた中学受験専門カウンセラー・安浪京子さん。本記事では、2人の共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』から一部を編集し、その“中学受験の効用”をお届けします。
【マンガ】中学受験「全落ち」した子はかわいそう? 大人の“勝手な思い込み”に気づかされた、子ども同士の会話とは(全35枚)GIGAスクール構想、ここが落とし穴!
安浪:今はGIGAスクール構想のもとでタブレットやパソコンが1人1台与えられていますけど、まともに書けないうちから与えて、授業の感想なんかも入力させちゃうからますます書けない子を増産しています。でも、そこに危機感を覚えている家庭はタブレットやパソコンに寄りかからないようにされていますね。
佐藤:そうそう。だからもう人間を育てるのには根本的に何が大事か、というのを見誤っているんですよ。学校がやっていることがいつも正しいとは限らないので、学校は学校でいいんです、家でちゃんとやれば。うちではもう山のようにノートを使っていましたから。
安浪:タブレットでいいなと思うのは、理科とか社会の資料やデータを見たり、リアルな動画を見られること。あと英語の勉強にもいいですよね。
佐藤:英語は絶対タブレットがいいです。ちょっと単語や文章を書くだけで、パッと発音をしてくれたりします。
安浪:学校の先生よりきれいな発音でね。
佐藤:私が今英語の教師をしていたら、絶対タブレットを使います。
算数の勉強は絶対ノートがいい
安浪:家庭教師の立場から言わせてもらうと、算数のアウトプットは絶対にノートです。塾に行かせているのに、ノートがもったいないって言う方もいますね。そんなとこケチらないでくださいって思いますが。高い授業料払っているのになんでノート代をケチるのか、不思議です。
佐藤:鉛筆やノートはチマチマ使うんじゃなくて、常にたっぷりある状態じゃないと。チマチマ使う人に限って算数なんかでも大学ノートにきっちり1行ずつ書いたりするんだけど、それじゃダメだぞ、と。余白を作ってゆったり書くことが大事。
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