事の重大さに気付いたのか……いえ、次男は明確な期限や数値目標などを掲げられるとすんなり従うタイプ。「年末までにアウトにならなければゲームを取り戻せる」という新たなゲーム攻略に取り組み始めたわけです。いつもなら無意味に兄弟をあおり散らかしていたのが、ふと見ると弟に丁寧に折り紙を教えていて別人かと二度見しちゃいました。

 兄が穏やかだと弟のほうもニコニコと素直にアドバイスを聞くし、しばらくの間「よく飛ぶ紙ヒコーキ作り」ブームがきて家中紙ヒコーキだらけになったけど……なんて平和なんだ!

 一方長男は、ぼくは悪くないのにとブツブツ。

「納得できないなら自分でお父さんに交渉してみたら?」

 とつついてみると、

「いや、いい。ぼくだけできるとなったら次男くんかわいそうだし、結局ケンカが増えそうだもん」

 とのこと。中1、おっとなー。

 長男は本当はクリスマスプレゼントは初めてのゲーム課金!と楽しみにしていたのですが、ゲームに触れる時間がなくなると盛り上がっていた気持ちもスーッと冷めたらしく、図書カードに変更となりました。そして野球の自主練に力が入り、冬休み中のチームの目標をこなそうと寒空の下走りに行ったり素振りしたりしている時間が長くなりました。

 少し早めの休暇に入っていた夫が一緒に走り始めると徐々にランニングが楽しくなり、二人で10キロ以上を走りに行って何だか時間の使い方、有意義ではないか!!

 とばっちり2号の三男は、次男が怒られた案件には自分でもちょっと罪の意識はあったらしく、黙ってレゴや紙ヒコーキ作りをするようになりました。

 何よりの変化は、何年も2階のクローゼット奥で忘れ去られていたようなボードゲームを引っ張り出してきて遊び始めたこと。いつも1階のリビングでひとつの画面を奪い合っていた子どもたちがですよ、2階で人生ゲームが盛り上がっちゃってだーれもいないの。しまいには各自の用事で遊ぶ相手がいないと、3人がそれぞれ別の時間帯に1人で人生ゲームやってたのには笑ってしまいました。興味が薄れていたカードゲーム熱も復活。これは長男と三男がハマっているのですが、長男はどこかに出かけるたびに自分のお小遣いで三男にカードを買ってきてあげるのが楽しみになっていて、おじいちゃんかよとツッコまれています。

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