予想外のことが起きた!親がパニックになったら、どうする?
――とくに直前期は「多少、体調が悪くても頑張らせないと」「もっと頑張れるはず」と思いがちです。親自身がパニックに陥ってしまったとしたら、どのように対処すべきなのでしょうか。
矢野 大切なのは、「何があろうと、子どもには当たらない」ということだと思います。僕も受験生の親として、想定外のことが起こった際はイライラしました。焦りましたし、パニックにもなりましたが、そんな状況でも「子どもにはイライラを向けない」ということだけは守りました。動揺する姿を妻や同僚の前だけではつい見せることはありましたが、彼ら彼女たちには迷惑をかけました。父親として未熟だなと思いましたね。
それから、「いままで十分勉強をしてきたのだから、1、2日勉強しなかったとしても大したことはない」と割り切ることも大切だと思います。子どもが心身ともに疲れ切ってしまっているのなら、思いきって休ませることで一気に事態が好転する可能性だってあると思います。
茂山 本当に、予想外のことが起きるのが直前期です。女の子のなかには、入試当日に初めて生理になってしまう子がいたり、男女問わず、学校に向かう駅で盛大に吐いてしまったり、突然熱が出てしまうケースもあります。体調だけでなく、電車の遅延など不測の事態もありますよね。それで親の方がパニックになってしまうこともありますが、そうしたときに自分だけの判断で動かないのは大事なのかな、と。矢野先生や僕のように長く中学受験生に関わっていると、不測の事態を色々経験しているので、経験のストックはそれなりにあります。「困ったときは、通っている塾の先生に相談してみる」ということも大切だと思います。
モヤモヤを抱えず、塾の先生に相談してみる
矢野 塾講師って、「おせっかい」なタイプの人間ばかり(笑)。頼られると意気に感じるものです。どんなに細かなことでも、そのモヤモヤを内に抱えることなく、思い切ってお子さんの通う塾の講師に相談してみましょう。
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