子どものネットコミュニケーションで気をつけることは?
――現代は小学生もスマホを持っている子が多いです。ネットでのコミュニケーションで気をつけなければならないポイントは?
ネット上と対面でのコミュニケーションとでは、質が異なることを覚えておかなければなりません。
例えば、友達同士で軽口のつもりで「バカだなー」と対面で言った場合、仲間同士で笑いながら言っているため、軽口であることが分かるので、腹は立ちにくい。それでも相手がムッとしたら、「ごめん!言いすぎた」などとフォローできます。SNSで「バカだなー」とだけ送ると、非常にきつい言葉に感じて「バカにされた」「いじめられた」となりやすい。なので、送る前に見直して、相手を不快にさせたり誤解させたりしないか見直してから送ること。そのうえで、「悪意なくポジティブな気持ちで送っています」ということが分かるように、絵文字やスタンプをつけて送るのも手です。
――ネガティブな言葉や誤解されるような言葉はSNSでは使わないほうがよさそうです。
そうですね。ネガティブな内容をメールやSNSで伝えるのは難しい。「ちょっと嫌だったから謝ってほしい」とか「こうしてほしくない」などを文章で書くと、どうしてもきつい文面になりがちです。そういうことこそ対面で話せば、口調や表情、身振り手振りで悪意のアリナシが伝わるのでトラブルになりにくい。言葉選びが悪く相手が嫌な顔をしたら、「ごめんなさい。言葉選びが悪かった」と謝れる。対面がだめなら電話があります。全部をメールやSNSで済まそうとしないことが大切なのです。
興奮しているときはメッセージを書かないことや送信・投稿しないことも大事です。子どもはチャットのように次々にメッセージを送りあうので失言も増えがち。やり取りが重なって気持ちが興奮してきたら、「いったん席を立つね」などと一旦抜けさせてもらいましょう。脳科学的に20歳ぐらいまでは前頭前野が成長期なので、急な我慢や判断がしにくく、興奮しやすいと言われています。よく、夜中に書いたラブレターは出さないほうがいいと言いますよね。それと同じです。興奮しているときに書いたものはすぐに送らず、いったん保存したり、時間を置いてから再考してみる。冷静に考えれば、相手を傷つけるようなことも、誹謗中傷するようなことを書いて送るようなことはないはずです。
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