次に「130万円の壁」(会社の社会保険に加入できない場合)では、夫の社会保険の扶養内の年収129万円では、手取りは123万6860円。年収が130万円になると、国民年金・国民健康保険の加入義務が生じ、手取りは94万7864円となります。約35万円も減ってしまいます。社会保険の給付もありません。こうしたことから、「130万円の壁」を特に意識して働く人が多いようです。
年収の壁として130万円の次にくるのが「150万円の壁」と「201万円の壁」です。それぞれの額を超えると夫の配偶者特別控除が減ったり、なくなったりして夫の税負担が増すことになり、世帯年収に影響してきます。
「壁」にとらわれすぎず働くことも大切
ここまで手取りに関係する年収の壁についてみてきました。目先の手取りを減らさないようにするには壁を超えないよう、勤務時間を短時間に抑えるということも必要になってくるでしょう。ですが、「自身のキャリア形成や中長期のライフプランも考えてほしい」と佐藤さんは強調します。
「世の中の人手不足は深刻で、時給も上昇しています。私の知っている事務系の会社ではアシスタント的な仕事で時給1600円ほど。そうしたなかで壁を超えないようにしようと思えば、そのぶん勤務時間を減らさなくてはいけなくなります。一方で子どもの教育費は上昇していますから、今後の受験などに備えておくことも必要です。子育てと働くことの両立は大変ですが、支援制度も以前より厚くなっていますし、キャリアを積み上げていきたいと考えている女性も多いと思います。年収の壁にとらわれすぎず、働くことをもっと前向きに考えてもいいのではないかと私は思います」
(文/西島博之)
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