子どもの非認知能力を伸ばすためには「大人非認知能力を高めることが大切」と話すのは、非認知能力を育むパイオニアとして知られるボーク重子さんです。その理由と、大人の非認知能力の育み方のヒントをうかがいました。子育て情報誌「AERA with Kids2024秋号」から紹介します。

MENU 子どもは親のやることを見て育つ 自分らしく幸せに生きる 親子で非認知能力を伸ばす3つの行動

子どもは親のやることを見て育つ

 子どもの非認知能力の育成に、親の非認知能力は大きく影響します。なぜなら子どもは親のやることを見て育つからです。非認知能力育成の基本は「教える」「やらせる」のではなく、ロールモデル(やってみせる人)の存在です。

 たとえば「ああ、今日も失敗した」と子どもの前で親がため息をついたとします。問題はそこから。「私ってダメだなあ」とダメな沼にハマるか? それとも「原因はどこかな」「次はこれを試してみよう」「失敗したけど、すっごく頑張った」「次はきっとできる!」と前に進む声かけを自分にするか?

 親の声かけがそのまま家庭の環境をつくります。子どもは親がつくり出す環境で育ち、それは子どもの「当たり前」になっていく。

 私たちには、どんな声をかけるかの選択肢があります。だからこそ「次はきっとできる! 自分なら大丈夫!」という自己効力感・自己肯定感・共感力のある声かけを選ぶ。そして、そんな声かけを家庭のあたり前(環境)にしていきましょう。家族と一緒の時間でこそ、もっとも効果的に子どもの非認知能力は育まれます。

自分らしく幸せに生きる

 大人の非認知能力が必要なもうひとつの理由は、激変の人生100年時代を、変化の波にのみ込まれるのではなく、乗りこなして自分らしく幸せに生きていくためです。たったひとつの正解が機能していた時代とは違い、生き方も働き方も過渡期にあり、正解がないとも、たくさんの正解があるともいわれる今。でも、自分で自分の生き方を決められる素敵な時代でもあります。

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ボーク重子
ボーク重子

合同会社BYBSコーチング代表。ICF会員ライフコーチ。非認知能力を育む教育法Social Emotional Learning社会情緒的教育をベースとした子育て・自分育てを提案。非認知能力育児を研究・実践し、娘のスカイさんが18歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれた。『「非認知能力」の育て方』(小学館)ほか著書多数。ワシントンD.C.在住。

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