キー局のアナウンサーという職を離れ、フローリストとして活躍する前田有紀さん。現在、山と海に囲まれた鎌倉で、7歳と4歳の男の子を育てながら暮らしています。まとまった休みには、家族でテーマのある旅をしているのだとか。子どもも大人も全力で楽しむ子育てについて伺いました。 ※後編〈前田有紀がアナウンサーから「花」の仕事に転じた理由 「あれから10年、服装ひとつとっても選ぶものが変わりました」〉に続く 

MENU 夕方にふと「海、見に行こっか」と出かけることも 「男の子らしく」というより「その子らしく」を気づかせてくれた 「青い海を見てみたい」…息子のつぶやきから家族で8日間離島へ 夫婦で真剣に議論しテーマから決める家族旅行

夕方にふと「海、見に行こっか」と出かけることも

――現在、鎌倉で子育て中とのことですが、都会で育ったご自身の子ども時代と比べて違いを感じますか。

 私は横浜市の街中で生まれ育ちました。だから自然のある暮らしに憧れがあったんです。結婚したときに夫と「どんなところで子育てがしたい?」と話し合って、「自然と文化がある街で暮らしたいね」ってことになり、鎌倉を選びました。

 鎌倉での子育ては、街中で育った私から見るとうらやましいことばかりで。海や山の近くで育っている子どもたちは、「当たり前のようにそこにある」という感覚で自然をとらえています。

 街中だと「そこダメだよ」「走らないで!」とつい制限をかけてしまうんですけど、広々した自然の中ではそうなりづらいです。海で遊ぶとなると、浜辺で遊ぶ分にはお互い自由に過ごせます。もちろん、波にさらわれないようにといった注意点はあるものの、親にとっても楽しめる部分は多いです。

 例えば波打ち際で遊んだり、砂浜の生きている貝を探したり、砂を掘ったり。なんてことない遊びでも時間が過ぎていくんです。夕方にふと「海、見に行こっか」と出かけることもよくあって。海って夏だけじゃなくて、季節を問わず過ごすことができる場所だと感じます。

 出合う生き物の種類も多くて、昆虫やトカゲ、ヘビ、タヌキにも遭遇することがあります。その度に子どもと図鑑を見ては「今いたヘビはこれだね」って一緒に確認しています。

自然豊かな鎌倉でのびのびと過ごすお子さん(前田さん提供)

「男の子らしく」というより「その子らしく」を気づかせてくれた

――前田さんご自身は姉妹で育ったそうですが、7歳と4歳の男の子兄弟の子育てはいかがですか。

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大楽眞衣子
大楽眞衣子

ライター。全国紙記者を経てフリーランスに。地方で男子3人を育てながら培った保護者目線で、子育て、教育、女性の生き方をテーマに『AERA』など複数の媒体で執筆。共著に『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド 親と子のギャップをうめる』(笠間書院、宮本さおり編著)がある。静岡県在住。

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