子どもを産む前まで「男の子だからたくましくなる」「男の子は自然とアクティブになる」っていう固定観念がなんとなく自分の中にあったんです。自分が前職でサッカー関連の仕事をしていたので、勝手に男の子だったらサッカーや野球を好きになるだろうって思い込んでいたんでしょうね。

 でも実際に男の子2人を産んで育ててみると、自分が思い描いていた男の子像とは違って戸惑いました。2人ともサッカーや野球には興味を持たなくて、むしろ工作のほうが好き。自分にバイアスがかかっていたなっていうことに気づかされました。

 2人の性格も全然違っていて、長男は比較的繊細な感性を持つ慎重派、次男はとにかく明るいタイプ。だから「男の子らしく」というより「その子らしく」というのが正解なんだなって感じるようになりました。その子その子が持っている、性格や性質を尊重していけたらいいなって思いながら子育てしています。

「青い海を見てみたい」…息子のつぶやきから家族で8日間離島へ

――子育てでは「体験」を大切にされているそうですね。

 そうですね。大人も楽しくて、子どもたちにもその楽しさがわかってもらえるような体験を大切にしています。共働きで週末も仕事の予定が入ることがあるので、毎週末子どものためになるところへ連れて行ってあげるという過ごし方はできません。なので家族で過ごせる休日は大人も子どもも一緒に楽しめることをします。鎌倉で過ごすなら海に行ったり山に登ったり。

 この夏は、8日間かけて家族で離島を旅しました。今回の旅のきっかけは、長男が「青い海を見てみたい」とつぶやいたことからでした。鎌倉の海も私たちは大好きなんですけれど、もっともっと青い海を見てみたいって言ったんですね。じゃあ私たちは親としてどんな海を見せてあげられるか、というのを二人で考えて、屋久島と奄美大島の南にある加計呂麻島(かけろまじま)へ行きました。

 なぜ屋久島だったかというと、私たち夫婦が自然の成り立ちにすごく興味があったからです。

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