中学受験で学校を選ぶとき、指標の一つとなるのが「偏差値」。その偏差値も、時代によって移り変わっていきます。約30年前と現在とを比べて、飛躍的に伸びた学校とは? 中学受験のプロ家庭教師・安浪京子先生の著書『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)からご紹介します。
【ランキング】10年で早慶上理への合格者数が200人以上増えた首都圏一貫校は?(他2ページ)親の固定観念で学校を見てはいけない
「偏差値は絶対的なものではない」といつもお話ししていますが、中学受験において偏差値を無視することができないのも事実です。塾や模試によって偏差値に違いはありますが、相対的な位置を把握する上では有効です。そして、どの学校も偏差値表に掲載される自校の数値に戦々恐々としています。
偏差値は「世の流れ」や「入試形態」「塾との関係」「マスコミへの露出度」など様々な要因で変動します。昔、中学受験をされた親御さんの中には「女子最難関の豊島岡は、昔は裁縫学校だった」などとおっしゃる方も一定数いらっしゃいますが、偏差値は諸行無常……。
“偏差値表にすら載っていなかった学校が今は最難関校に”、あるいは“あれだけの名門校だったのに今は見る影もない”といったことが多々あるので、固定観念は禁物です。
偏差値は様変わりする
過去の偏差値表を見ると、1992年は大学附属校に非常に根強い人気があったことがわかります。
女子最難関は軒並み大学附属で、「桜蔭」と同列に「共立女子」が並んでおり、「女の子は大学受験などせず、のんびり過ごしてほしい」という意識がひときわ高い時代であったのがわかります。
昨今も大学附属人気は過熱していますが、これは私立大学の定員厳格化にともなう大学の難化や、受験をせずに様々なことに打ち込める大学附属校の良さが見直されてきたからと言われています。
同時に、「東洋英和女学院」や「光塩女子学院(東京都)」といった当時のブランド女子校も強く、ファッション雑誌にも数多くの女子大生が登場していました。
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