習い事が子どもに合っていればハッピーになってやる気が出るし、合っていなければやる気がなくなる。だから習い事選びは「子どもに合っているか」が絶対的な条件になります

 習い事というのは、家庭や学校にはない刺激によって、お子さんの個性が引き出されたり、生きたりする場所です。だから個性が素敵に膨らむなら続ければいいし、そうでないならやめればいい。習い事は一つの特殊な空間でしかない。わが子をもっと総合的に捉えていきましょう。

まだ小3。子どもに合った楽しみ方をのびのびと模索してみて

「好きなのかわからない水泳」「好きな書道」とありますが、親御さんは何を基準に頑張らせたらいいのかわからなくなっているのかもしれませんね。お子さんの好きなようにやらせてあげたい気持ちと、情報に影響されて「何かやらせなきゃ」という理屈が、親御さんの中で不一致になっている感じがする。さらにお子さんが中学受験も希望して、もうどうすればいいの!?と(笑)。

 おそらくこの子はできることをコツコツ頑張って成果を出すことで「自信」を築いてきて、「中学受験」を努力が評価される世界として見ているのではないでしょうか。もともとクリエイティブなことへの関心が高かったところに知識欲求(電車好きなど)が加わり、いま知識を得ることに対しても喜びを感じ始めている。知識が増えたり問題が解けたりと、わかる・できる体験への喜びが膨らんできて、勉強が好きになってきているのではないかと想像します。勉強に興味が出てくると、受験が面白そうに見えるんですね。

 まだ小学3年生ですから、親御さんは中学受験をシンプルに「勉強を思いきり楽しませてあげられる機会」ととらえてみてはいかがでしょう? 「どうせやるならちょっとでもいい学校に導いてあげなきゃ」などと考えてしまうかもしれませんが、のびのびと好きなことをやる一環としての中学受験があってもいいと思います。アートも勉強もこの子の才能に合った楽しみ方を一緒に見つけて、4年生、5年生と学年が上がる時に改めて続けるかどうかを考えてもいいのではないかなと思います。

(構成/布施奈央子)

※小川さんのYouTubeチャンネル「小川大介の『見守る子育て研究所®』」や、AERA with KidsのYouTubeチャンネルで、小川さんの話を動画で配信しています。

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