パッとすぐには始められなくても、動き出したらすごく深くのめり込むことができると思います。また「視覚情報」に対する反応も高いでしょうね。砂場遊びなどが好きな様子からは、1人の世界が好きなタイプだと推察できます。細かい作業が好きなわけですから、物事への完璧主義度もそれなりに高そうですね。

 美術教室に関しては、初めての場所という不安はあるけれど、アートの楽しさはすでに体感しているし教室でどういう振る舞いができるか想像がつくから、やりたいのでしょうね。水泳は、1人で何かするのが好きな子にとって相性がいいんです。「好きかわからない」とのことですが、きっと泳ぎ方を習得してきて、集中しやすい水の中で「居心地がいい」と感じているのだと思われます。ただし、そうした様子はよほど丁寧に観察しないと見えてきません。自分の世界を持っているけれど、よく見ないとわからないタイプの子で、相談者さんはもしかしたらその様子を見落としているかもしれませんね。

成果より「子どもが幸せかどうか」が大事

 相談者さんはおそらく都会に住んでいる方だと思います。現代の都心部ではさまざまな情報があふれていますから、親御さんが頭でっかちになりがちです。情報を追いかけて消化することに懸命になって、わが子の心の動きが見えなくなっているケースが見受けられます。

 私の考えですが、人って、頭で考える自分と身体の欲求が一致すると、安定して自分を楽しく表現できるし、周囲の評価がなくても満足できるんです。逆に頭と身体が一致していないと、世間的には良い結果が出せていても、本人の自己肯定感は上がらない。実績十分なアスリートが、実は自己肯定感がとても低いというケースが珍しくないのも、いい例です。今の社会は子どもの教育・学習において何かとパフォーマンス(成果)を求めがちですが、親が一番大切にしているのは「子どもの幸せ」ですよね。ですから定期的にお子さんの「顔」「雰囲気」「空気」を見て、ハッピーと感じているか確認するといいと思います。

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