絵本はたくさん読んでくれたけど、絵本の次のステップにはどんな本がいいんだろう?――。そんな悩みを抱えるママ・パパに向けて、幼年童話を中心に、絵本から読みものへの橋渡しとなるおすすめの一冊を紹介します。

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あらすじ

 忘れ物が多いだいくんは、算数の授業で使うおはじきを忘れてきてしまいました。先生にまた怒られちゃう……。困っただいくんは、「やだなー」と思いながら、教室の後ろで逆立ちをして呪文のような言葉をつぶやきました。「さかさまに なあれ、さかさまに なあれ。まさか さかさま、さかさま、まさか」――。忘れ物をしたら怒られるのではなくて、ほめられるといいのにと思ったのです。

『さかさまがっこう』(苅田澄子 作/つちだのぶこ 絵/文溪堂 刊)

 すると、まさかなことに、おはじきを忘れたことを先生に伝えると、「えらい!」とだいくんをほめるではありませんか。「みんなも だいくんを みならいましょう」とまで言います。算数のテストの点数が低くても、国語の音読で漢字を読み飛ばしても、先生はほめてくれます。何もかも“さかさま”になってしまったのです。廊下を走ったり黒板や机に落書きをしたりと、いつもはやってはいけないこともやりたい放題! 「さかさまがっこう、だーいすき!」とはしゃぐ、だいくんでしたが……。

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岩本恵美
ライター/エディター/Webディレクター 岩本恵美

Webメディアの編集や新聞紙面の制作を経て、2016年に独立。現在はWebを中心に、本やアート、教育などをテーマにしたコンテンツづくりに取り組む。朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」にて、絵本・図鑑等の児童書やレシピ本などのジャンルを担当。GREEN GHOST LLC.所属。

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