「ゲーム依存」は男子に多い傾向

――ゲーム依存の人は増えていますか?

 正確なデータはありませんが、ゲーム産業のマーケットは年々広がっているので、ゲーム依存の患者数も増えていることは間違いありません。

 久里浜医療センターでは2011年に「インターネット依存専門外来」を設置して以来、受診者数は年々増加し、ここ数年は年間延べ約2500人を超えています。動画やSNSへの依存もありますが、受診者の約9割はゲーム依存です。

――小学生以下はどのくらいいるのでしょうか?

 ゲーム依存の患者は10代から20代が中心ですが、年々低年齢化しています。2016年までは12歳以下はゼロだったのに、その後毎年増え続け、現在は新規受診者の2割近くを12歳以下が占めています。

 これまでの受診者の最年少は、小学1年生でした。

――男女どちらが多いといった特徴はありますか?

 男の子のほうが圧倒的に多いですね。これまで私が診察した12歳以下の患者さんは女の子は1人だけで、あとは全員男の子でした。

 もともとゲームは男の子に好まれる傾向があって、どの年代でも男性のほうが女性よりも割合が高くなっています。女の子はゲームよりもSNSや動画配信にハマりやすいですね。

 男の子はシューティングゲームや格闘系のような順位を競ったり、勝ち負けがはっきりしたりするゲームを好むことが多く、こういったタイプのゲームは依存性が高いことが知られています。女の子はあまり依存性が高くない育成系やパズル系のゲームを好む傾向があります。

小学生でも暴言や暴力、不登校、高額課金も

――ゲーム依存になるとどのような問題が起きるのでしょうか?

 健康面では、睡眠障害はほぼ全員に見られます。運動不足やきちんと食事を取らないことによる体力の低下ややせ、目の使い過ぎで近視が進む子も少なくありません。またゲーム依存は脳のさまざまな部位の萎縮を引き起こし、脳の機能に影響を及ぼしていることも示唆されています。

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