小中学生に大人気のゲーム「マインクラフト」。すでに日本でも、マイクラを教材としている学校がいくつもありますが、その先駆者として知られるのが、京都市の立命館小学校の正頭英和先生です。正頭先生は2017年から、英語と情報の授業にマイクラを活用し、2019年には「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「Global Teacher Prize」トップ10にも選ばれました。では、どんな授業を行っているのでしょうか? 日本初のプロマインクラフターで、「マイクラおじさん」の愛称でも知られるタツナミシュウイチさんが、正頭先生にインタビューをしました。タツナミさんの著書『子どもの能力が伸びるマインクラフトの使い方』(ポプラ社)よりお届けします。
【写真】圧巻!マイクラ界のスーパーキッズ・浦添昴さんの作品はこちら(全9枚)マインクラフトは調べたい・作りたい・試したいを満たせる場所
――正頭先生からご覧になって、子どもたちはマインクラフトの何を楽しんでいるのだと思いますか。
小学校から中学校くらいまでの子どもたちの、学びについての欲求は、調べたい・作りたい・試したい、この三つくらいなんです。高校生になると、ここに商売したいが加わって、だから文化祭で模擬店を出すようになるのですが、中学生くらいまではこの三つが中心です。
では、これまでの子どもたちは調べたものを何で作ったり試したりしてきたかというと、たとえばレゴです。でも、レゴは物理的なパーツやスペースが必要だし、親に片付けなさいと言われるし、だから、レゴで作りたい・試したいと思ったものを最後まで作って試せたという例はほとんどないと思います。
その点、マインクラフトは、ブロックも空間も無限。踏んで痛い思いをすることもありません。子どもたちの欲求をうまく満たしてくれるツールです。
――正頭先生は、もともとは英語の授業でマインクラフトを使い始めたんですよね。
そうです。マインクラフトを教えるのではなく、英語の授業にマインクラフトを取り入れました。ただ、その2017年当時、私自身はマインクラフトのことをよく知りませんでしたし、あまり面白いとも思えていませんでした。
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