マイクラに没頭しすぎる子に「効果的な声がけ」とは

――なるほど。あんまり自由すぎても困ってしまう子がいるので、あえて制限を設けてあげるというのはいいですね。あと、私個人は、マインクラフトに没頭している子がいたら、その子が飽きるまで没頭させてあげたいと思うのですが、親御さんとしては、マインクラフトばかりしていないで他のこともしてもらいたい、一日何時間かにしてほしいと思うこともあると思います。こうしたとき、正頭先生ならどうしますか。

 「うちの子はやめろと言ってもマインクラフトをやめずに困っている」という親御さんの大半は、やめさせたいときになって突然「やめなさい」と言っているのではないでしょうか。でも、マインクラフトで遊んでいる側にしてみれば、今すぐやめろと言われても、それがやめるのに適したタイミングでないこともあります。つまり、マインクラフトには休止するのに適したタイミングがあるんですね。たとえば「あの場所までたどり着いたら」とか「ここまで完成したら」、今日はやめようというタイミングです。なので、あらかじめ「今日は1時間だよ」「今日は夕ご飯までだよ」と言っておくことで、お子さんは自分で「だったらこのあたりまでだな」とわかると思います。

――そうですね。切りの良いところがありますよね。

 そういった声のかけ方ができるかどうかは、マインクラフトについての知識があるかどうか、別の言い方をすればお子さんの今に興味があるかどうか次第です。たいていの親御さんは、お子さんの将来に強い関心を持っています。なのに、お子さんの今にはそれほど関心を持っていないように私には見えます。ただ親御さんには「しっかりやらなきゃいけないんだ」というプレッシャーは感じていただきたくないです。

子どもの能力が伸びるマインクラフトの使い方 (ポプラ新書 257)

タツナミ シュウイチ

子どもの能力が伸びるマインクラフトの使い方 (ポプラ新書 257)
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タツナミ シュウイチ
タツナミ シュウイチ

日本で最初のプロマインクラフター。 東京大学大学院客員研究員、常葉大学客員教授、マインクラフトカップ全国大会審査員長、マイクロソフト認定教育イノベーター・FELLOW 。マインクラフト歴14年の通称「マイクラおじさん」。各メディアにプロマインクラフターとして出演し、マインクラフトの教育的効果とエデュテインメントの効果について広く発信。現在もSTREAM教育や特別支援教育を推進していくためマインクラフトをプラットフォームとして使用した教育教材の制作や活用を研究中。

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