寝る時間が遅くなったり、いつまでも寝ていたり。学校がない夏休み中は時間管理が崩れがちです。通常モードをどうやってキープする? 公立小学校教員の松尾英明さん、岡山大学准教授の中山芳一さんに聞きました。この夏休みこそ、正しい生活リズムを定着させるチャンスです! 子育て情報誌「AERA with Kids2024年夏号」(朝日新聞出版)からお届けします。

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睡眠ファーストで一日の終わりを明確に

―――朝、学校に行かなくていいという意識から、夏休みの生活リズムは「睡眠」から徐々に乱れていくケースが多いものです。

 子どもたちを教室で見ていると、日常の睡眠時間が学校生活に如実に表れています。睡眠不足の子どもが勉強や活動に対する意欲が圧倒的に低いのに対し、朝からしっかり動ける子どもは、きちんと睡眠をとっているのです。

 そこで「睡眠ファースト」を意識してみましょう。就寝時間をゴールに置く、シンプルな時間管理です。よく耳にする「早寝・早起き・朝ごはん」は、「早寝」がはじめにきていることがポイント。まず、早寝なのです。

 決めることは「〇時に寝る」ことだけ。このゴールを目指してさまざまなことを調整しましょう。そして、ゴールはできるだけずらさないこともポイントです。

 これは、家族で意識するとさらに効果大です。そもそもの性格を変えようとするのは難しいし、子どもの日常生活はどうしても親の影響を大きく受けるもの。「こうしてほしい」と願うのなら、大人がまず行動しましょう。子どもは見ているし、まねします。試してみてください。

―――就寝時間をゴールに考える際のポイントを教えてください。

「食事」

睡眠を意識すると、食事の時間にも気を配れるようになります。寝る直前の食事はおすすめできません。就寝時間から逆算して、2~3時間前が理想といわれます。

「おやつ」

盲点なのがおやつです。なんとなく食べていると、食べ過ぎたり遅くまで食べたりして、夕飯に響いてしまいます。おやつは時間と量を決めることでダラダラ食べを防ぎましょう。

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AERA with Kids編集部
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