漠然と「英語ができるようになってほしい」という気持ちで始めることが多い英語教育。「どんな英語スキルを」「何のために」という目的は、「その後、学びの壁にぶつかったときに、方向修正をしたり手法を見直したりするための大事な軸となる」と朋子さんは話します。例えば、望結さんの幼稚園プリスクール入園当初(当時2歳)、日本語しか話さない先生に英語で話しかけてしまうことがあったそうです。そのときも「ネイティブスピーカーとして育てるのか」それとも「母語は日本語で、日本人の言葉や思考を持ちながら英語を使えるようになってほしいのか」について再度夫婦で話し合ったといいます。

「ネイティブスピーカーになってほしいのならインターナショナルスクールへの入学を視野に入れることになると思います。でも、わが家は日本人として英語を使える人になってほしいというのが二人の結論。そこでインターナショナルスクールの選択は消えました。英語ひとつでもいろいろな選択肢があるので、どういう英語を身に付けてほしいかを夫婦ではっきりさせるのは大事だと思いました」

コツ2:「英語は英語のまま取り込める」環境をつくる

 CDやテレビ、動画など様々な英語教材がありますが、内田家ではどんな教材や環境づくりを心がけたのでしょうか。

「小さい頃(0~2歳くらい)は英語に触れる機会を増やすために『英語を英語のまま取り込める時間を作ろう」と思って実践していました。例えばわが家では、NHKのEテレの『きかんしゃトーマス』は英語でしか見ないと決めたり、楽しそうな英語の歌のCDをかけ流したり。子どもがキリンを見て『ジラーフ』といったらこちらもキリンとは言わないし、象を『エレファント』と言ったら象とは言わない。子どもがおじいちゃんおばあちゃんの家に行って日本語のトーマスを見たときは、『トーマスが日本語を話している』と泣いてしまったこともあったようです」 

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