難民保護と移民をテーマにした問題
麻布(東京)は22年、難民の保護と移民をテーマにした問題を出題した。
後藤さんは、
「入試の翌日からネット上で話題になりました。難民認定に携わる専門家がコメントを出していましたが、学校が求めるのはそういうプロの解釈であるはずがない。どういう解説を書くか、担当者が集まって試行錯誤しました」
と振り返る。

今後も思考型・読解型の入試は広がりそうだ。机に座っての勉強だけでは太刀打ちできそうにない。後藤さんは対策として、多くの人と話をすることが大切だと話す。
「同じニュースを見ても、立場の違いで考え方が異なります。いろいろな人と話をして違いを知り、それに対して自分はどう思うのか考える習慣を身につけましょう」
大学受験だけではなく、中学受験の現場でも、詰め込んだ知識だけではない力が求められている。
(教育ライター・柿崎明子)
※AERA 2024年7月1日号から
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