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矢萩:脳のどこの部分をよく使ったかとか、身体どの部分と連動させたかとかは、後々の発達に大きく影響してくると思います。

安浪:ピアノもそろばんも、まさに別のものを見ながら指を動かす作業ですから、似ている部分が発達しそうですね。

矢萩:人間が数の概念を持ったのは、二足歩行によって両手の指で数えられるようになったからだと言われています。つまり指と数字はもともと深い関係があるのです。

安浪:いろいろ話してきましたが、未就学児で公文かそろばんかは、その違いを理解したうえで子どもの好み、近くに教室があるかどうか、先生との相性とかで決めていいんじゃないかと思います。そろばんがすごくできるようになっても中学入試の計算は解けるようにはならないし、公文で高校レベルまでやったところで中学受験の算数は解けないですから。もちろん、どちらも処理速度や脳の使い方という面で好作用はあると思います。ただ、お子さんが現在2、3年生で中学受験をする予定がある、という場合ならば、私は公文をお勧めしますね。タイミングと目的も大切かな、と思います。

(構成/教育エディター・江口祐子)

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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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