ベンチャー企業への志向は、実はあまり高くない

 ――最近の学生は、積極的にベンチャー企業を選ぶなどチャレンジ志向が強いイメージがありましたが、大手志向のほうが強いのでしょうか?

 実は、全体を見ると、ベンチャー企業への志向はあまり高くないんです。起業する学生もいて発信力が強いので、ベンチャー企業を選ぶ傾向にあるイメージをもたれるかもしれませんが、就活をしてファーストキャリアから会社を選んでいくとなると、やはり安定性や成長性の面で大手志向になっていくのでしょう。今の学生たちは「ワーク・ライフ・バランス」を重視する志向も持ち合わせていますので、ベンチャーですと「上場するまではがんばって働く必要がありそう」といったイメージがあり、生活との両立が難しそうと感じるのかもしれません。「大手」で「安定している」企業を志向する学生が多いのは、生活との両立を大事にしながら、なおかつビジネス的に自分も成長していきたいと考えているからなんですね。

――ただ、「安定」もコロナ禍など社会情勢によって変わってしまうのでなかなか難しいところではありますよね……。

 ここで言う「安定した会社」とは、売り上げが安定していて入社すれば生涯安泰でいられるというより、自分が成長するための大前提として安定した基盤や環境があり、成長意欲をサポートしてくれるスキルアップ制度があるなど、今後の自分の成長の土台となる環境が整っている企業というイメージです。そういう意味では、かつての「安定」と、今の「安定」では意味合いが少し変わってきているのかもしれません。

 今の学生は就活が始まる前の時点で、8割ぐらいが何かしらインターンシップに参加していますし、大学のほうでもキャリア教育を実施しています。就職活動が一気に始まる3月以前の段階で企業研究をしたり、キャリア観をある程度確立させて就職活動にのぞむ学生が増えていますから、自分が思い描いたキャリアをどう実現できるのかという観点で企業を選んでいるんですね。

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