小中学生の保護者も、将来の子どもの姿を考え、気になる大学生の「就活事情」。最近の大学生に人気の企業や傾向はどういったものなのでしょう? 2025年卒業生を対象にした「マイナビ・日経 2025年卒大学生就職企業人気ランキング」の上位企業をもとに、最近の就活について、マイナビキャリアリサーチラボ研究員の長谷川洋介さんに聞きました。
【就職企業人気ランキング】文系・理系のベスト100はこちら(全12枚)文系1位は「ニトリ」! 人気の理由は?
――2025年3月に卒業見込みの学生約4万人を対象にしたランキングを見ると、文系の1位はニトリですね。人気の理由は?
ニトリは昨年も文系総合で1位でしたので2年連続トップですね。理系総合でも11位と比較的上位に入っています。親御さんのなかでは「お、ねだん以上。ニトリ」で家具とか生活雑貨の小売り販売のイメージが強く、「なぜニトリが1位?」と不思議に思われている方もいらっしゃるかもしれません。でも実際は単なる小売り販売ではなく、「製造物流IT小売業」という“自社完結型”の独自のビジネスモデルを展開している企業なんです。
――自社完結型のビジネスモデルとは具体的にどういうことですか?
つまり、自社で販売する商材を自分たちで作り、そのための資材や原材料の調達も自社でやり、作ったものを店舗に配送して流通させていく物流・流通の部分も自社で完結している、ということです。システム管理の部分も自社の情報系システムで行っています。ですから1社の中にメーカー、専門商社、ロジスティックス、ITといった幅広い領域をもっているんですね。小売りだけでなく、さまざまな仕事をしたい学生が希望するので人気も高くなっています。
――会社の中にいろいろな業種・職種があってカバー領域が広いわけですね。
そうなんです。50部署、100以上の職種が存在していて、まず業態として特殊な会社であること、さらに学生向けのインターンシップを実施していて、それが学生たちにものすごく受けています。毎年平均で3万人以上の学生が参加する超人気のインターンシップです。インターンシップのコースも職種ごとに分かれていて、さまざまな部署や業務を体験できるので、商社に興味がある学生にも、メーカーを目指している学生にも魅力を感じてもらいやすく、店舗での接客を大事にしたい学生にも響く。窓口が幅広いことで、学生が描く「多様なキャリア観」に応えることができる企業である点が響いているのだと思います。
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