――学校の授業は、受験直前期も受けていたとか。

 はい、学校の授業も大事にしていて、多くの生徒は受験期の最後のほうは「受験に直結する内容ではない」といって学校を休むんですけど、ぼくは最後のほうまでみっちり聞いていました。

 受験勉強なんてあとからいつでもできるけど、高校の授業を受けられるのはこれで最後だから、受けなきゃもったいない。もちろん、力を入れるところと抜くところを柔軟に考えるのも手なんでしょうが、好きな先生の話を聞くのは受験勉強の気分転換にもなりました。

受験期も0時までには就寝。睡眠時間も大切に

――受験勉強のタイムスケジュールを教えてください。

 朝はふつうに起きて学校へ行きます。6限目まで授業を受けたら塾の自習室に行って、授業があればそれを受けて、20時まで勉強。その後、帰宅して夕食、0時までには寝ていました。

 深夜までとか朝早くから勉強している人もいますが、僕は、睡眠は学んだことを脳に定着させるのに重要だと考えています。それに、100%の力で授業を聞き、その後真剣に自習して帰ってくると、終わるころにはへとへとになっているので、家では休養に努めていました。

――受験当日の緊張のほぐし方は?

 これはあまりおすすめできる方法ではないのですが、たとえば倍率が6人に1人の合格だったら、試験会場で自分より緊張している雰囲気の人を5人見つけて、「よーし、僕のほうが自信がある」と言い聞かせていました。あと、問題用紙の一枚目をできるだけ早く解いて、音を立ててめくるんです。「え、こいつもう解けたんだ!」と周りにプレッシャーをかけられるかなと思って……我ながら、せこい(笑)。

 相手を落とそうと思ってるんじゃなくて、自分を落ち着かせるためにやっているんですよね。空手の試合も同じで、強そうな相手と対峙したとき「自分のほうがたくさん稽古している、自分のほうが相手より強い」と念じたり、相手より自分を大きく見せるために大きな声であいさつしたりします。受験もそれと似た感じですね。逆に、周りの様子に惑わされないことも大切だと思います。

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