おすすめポイント

 妹に遊びのじゃまをされ、「もう、いや!」と、妹が入ってこられないように椅子やゴミ箱で壁を作るお姉ちゃん。でも妹が泣き出し、飛んできたママに「なんで、そんないじわるするの?」と言われてしまいます。きょうだいがいる子はきっと共感します。

 とうとうメアリー・ケイは「妹をあげる」「代わりにペットの世話をしてあげる」と周りの大人たちに言い出すのですが、牛乳屋さんも電気屋さんも、ニコニコしながら犬やオウムの世話の大変さを教えるばかりで、決してメアリー・ケイを否定しません。そしてママのところに遊びに来ていたおばさんが、スザンヌと金魚を取り替えてくれて……。妹がいない家がどんなものか、妹はどんな存在なのか、メアリー・ケイは自分で気づいていきます。

『いもうとなんかいらない』(ロイス・ダンカン 作/小宮由 訳/平澤朋子 絵/岩波書店 刊)

 お姉ちゃんの素直な気持ちがまっすぐ綴られたストーリー、軽やかな訳文に加えて、平澤朋子さんが描き下ろしたイラストがかわいらしさでいっぱい。心の葛藤がそのまま表情に描かれ、読者はメアリー・ケイの気持ちをたっぷり味わえます。

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