英語教育の低年齢化が加速する今、小学生の英語学習にどう関わればいいのか悩む親が増えています。なぜわが子に英語を学ばせるのか。親がやるべきこととは――。『斉藤先生! 小学生からの英語教育、親は一体何をすればよいですか?』(斉藤淳著・アルク刊)からお届けします。

MENU 低学年は親の意思で始めるケースがほとんど 目的次第でやるべきことは変わる 「日本を脱出させたい」という考えは尊敬されない 小学生英語の肝は「英語嫌いにしないこと」

低学年は親の意思で始めるケースがほとんど

「小学生英語の目的について」という、テーマを掲げましたが、私はここで英語を学ぶメリットについてとうとうと語るつもりはありません。子どもが英語を苦手としていて一向にうまくならなかったとしても、その子の未来がお先真っ暗だと言うつもりもありません。英語ができなくても社会に貢献し、輝かしいキャリアを築き、幸せな人生を歩む方法はいくらでもあります。

 小学生で学び始めた英語で思うように実力を伸ばせなかった生徒が、中学校以降に実力が伸びる例もあります。中学入学段階でアルファベットの順番がわからなかった生徒が、高校3年生では海外トップ大学を目指す実力を身に付けた実例も目撃しました。

 では、なぜこのようなテーマを強調するのか。それは大人、とくに親御さんに対して、「なぜ小学生のわが子に英語を学ばせるのか?」を一度、冷静に考えていただきたいと思ったからです。

 これは私の塾にお子さんをお連れになる親御さんと対峙するなかで、いつも感じている疑問でもあります。小学校高学年くらいになると子どもの意志で入塾される家庭も増えますが、低学年以下の場合、親御さんの意志で連れてこられる子どもがほとんどです。

 私の経験上、子どもに英語の早期教育を施したい親御さんが抱く「目的」は、だいたい次の3つに集約できます。 

① 世界の名門大学を卒業するなどしてグローバルエリートとして活躍してほしい!

② 中学受験や大学受験対策として、英語を武器にしてほしい!

③ 日本脱出を含む、将来の選択肢を増やしてあげたい!

 みなさんはどれに当てはまるでしょうか?

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斉藤 淳
J PREP代表 斉藤 淳

J PREP代表。元イェール大学助教授。上智大学外国語学部英語学科卒業、イェール大学大学院政治学専攻博士課程修了。2012年に J PREP 斉藤塾を起業。著書に『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)、『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』(SBクリエイティブ)などがある。

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