体育は「足の速い順」に評定がつくわけではない
「運動が得意でないと、体育で内申点を取るのに苦労するのではないか」といった声を聞くことがあります。音楽、美術、技術・家庭、保健体育といった実技科目の評価については、多くの保護者が誤った認識を持っているように思います。
区立D中学校は令和3年度の「学校だより」で、昔は評定の付け方が相対評価であったことを、体育を例にあげて振り返りました。
昔の体育は1500mのタイムの「結果」のいい順に評価を下す「相対評価」が主流でした。クラス全体の中での運動能力の序列が評定に大きく影響していたことを意味します。
しかし、現在は「絶対評価」が主流となりました。生徒一人ひとりの努力や成長が評価の中心となっています。つまり、運動が得意ではない子でも、授業に真剣に取り組み、自分自身の成長を実感できれば、その努力は評価されるのです。
実技科目では、知識を問うペーパーテストも行われます。実技が得意ではない生徒は、ペーパーテストで巻き返すことも可能です。
運動が不得意でも、芸術センスに乏しくても、正当な努力をすることで「4」は獲得可能です。公立トップ校であっても実技科目はそれで十分です。都立トップ校は、運動が不得意な子もたくさん入学しています。
合唱コンクールで指揮者をしても内申点には関係ない
都立高校入試について、次のような噂を聞いたことがないでしょうか。
□ 部活動に入らないと内申点に響く。
□ 部活動を途中で辞めると内申点に響く。
□ 部長などの役職に就くと内申点に加点される。
□ 部活動実績があるとボーダーで優遇される。
□ 生徒会の役員になると内申点が加点される。
□ 遅刻回数や欠席日数が多いと入試で不利な扱いを受ける。
□ 体育祭のリレーで1位を取ると体育の内申点が上がる。
□ 合唱コンクールで指揮者をすると音楽の内申点が上がる。
□ 部活動顧問の先生が担当する科目の内申点は上がりやすい。
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