答え合わせをすると、「すべて間違った情報」です。帰宅部が入試で不利になることは決してありませんし、部活動を辞めても何も問題はありません。生徒会活動や部活動実績が都立高校の一般入試で加点されることもなく、体育祭や合唱コンクールの行事結果が内申点に関わることもありません。遅刻回数や欠席日数すら、都立高校入試では合否選考に影響を与えません

  保護者同士の話では往々にして間違った入試情報が共有されます。

  過去の都立高校入試において、合格か不合格かのボーダーライン上にいる場合、右のような特記事項で評価されるという時代はありました。その名残で都市伝説的に残ってしまっているのかもしれません。

東京の高校受験の「常識」、他県では「非常識」

  公立高校の入試制度は都道府県によって様子が異なります。文部科学省の「令和4年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」によると、入学選抜で、学校内外のスポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動等に関する記録を一切使用しないのは次の都道府県です。

  これらの都道府県以外では、部活動の実績や生徒会活動は加点対象になる場合があります。

  たとえば、埼玉県では、生徒会の役職が「特別活動」として入試で加点されることがあります。大阪府では、英検の取得級によって大幅な優遇措置があります。東京で「常識」とされている内申書の取り扱いが、他県では「非常識」になることがあります。

  公立高校入試は究極のローカル戦です。情報収集はどの都道府県の話なのかを意識して行いましょう。他県出身の保護者は、自分の地域の高校受験とは「常識」がまるで違うことがあると知っておきましょう。

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東京高校受験主義(東田高志)

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東京高校受験主義(東田高志)
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Xで4万5000フォロワーのいる教育系インフルエンサー。首都圏の受験情報を毎日配信している。実生活では、20年のキャリアを持つ塾講師。長年、学校と塾の変化を見続け、小・中学生を教えてきた。おもに首都圏を中心とした教育ウォッチャーでもある。フィールドワークとして都内各地の公立中学校や都立高校を訪問し、区議会議員とのコラボイベントも開催している。

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