――家事を完璧にしようというモチベーションはどこに?
僕も深く考えてなかったのですが、改めて思うと、やっぱり僕自身が「居心地のいい家にいる」ことが好きで、自分で整えるのが好きなんでしょうね。掃除や片づけも、全然苦じゃないし、子どもたちが帰宅したときに、居心地のいい家でホッとしてほしいという気持ちが強くあるからなのかもしれません。
――きっとお子さんもご家族もうれしいでしょうね。
そう思ってくれるとうれしいですが。ただ、僕は能力的に自分にできることは、本当に基本的なことだけだと思っています。税金をきっちり払って、教育費や医療費もきっちり払う。そして住まいを整えて、おいしいごはんを作る。あ! あとは送り迎え(笑)。
子どもたちはこれからどんどん自分の世界を広げていって、当然、親と疎遠になる時期もくるはず。それでもたまに帰ってくる日があったなら、安心できる居場所を作ってあげられたらいいな、と。そのための努力は、僕にもできることだから。
――大事なことですよね。
ありがとうございます。当たり前といえば当たり前のことなのですが。僕自身、やりたいことを勝手に決めて、自分の意思を貫き通せば通すほど、失敗を繰り返して、みんなに迷惑をかけて、という思春期を過ごしました。それでも、ホッとできる家があることは、ありがたかったですから。
(取材・文/玉居子泰子)
※前編<3児の父・コウケンテツが語る家事育児 「主婦にも休みは必要。毎日手作りごはんでなくてもいい」>から続く
著者 開く閉じる