明和や刈谷、半田は、岡崎、旭丘などに次ぐ、県内難関公立高校だ。募集人員は上記3校とも普通科80人だが、明和には音楽科があり、中高一貫校でもそれを引き継ぐ形で音楽コースを設け、20人を募集する。音楽コースのある公立中高一貫校は、全国で初めてとなる。

 津島はもともとグローバル教育を標ぼうしており、中高一貫校でも国際探究コースとして、国際バカロレア(IB)のプログラムの導入を目指す。募集人員は同コース80人。通学できる区域は基本的に高校の通学区域に準ずるが、もともと専門コースは学区を設けていないため、津島と、明和の音楽コースは愛知県全域が対象となる。

適性検査は、受験の過熱を避け全問選択式

 選抜は適性検査と面接の2段階で行う。気になる適性検査は、全問選択方式だ。その理由を、木全室長は次のように話す。

「入学者を選抜するにあたって、受験競争の過熱化や低年齢化が懸念されました。記述を加えると、どうしても通塾して特別な訓練をすることになる。本適性検査は記述式でなくても、選択式で十分に受験生の力を測れる内容とします」

 ちなみに明和の音楽コースは、視唱、聴音、ピアノや声楽などの実技検査がある。

 保護者や小学生児童の期待も高く、昨年の秋に行われた明和の説明会には、合計2546人が参加した。

「それぞれの高校では中高一貫校になることを、学校を改革するチャンスと前向きに捉えており、期待していただいていいと思います」(木全室長)

 26年度は第2次導入として、豊田西、西尾、時習館、日進、美和、衣台、愛知総合工科の7校が開校する。美和と衣台は連携型で、残り5校は併設型。豊田西と西尾、時習館は25年度の4校に引き続き探究型を、愛知総合工科は高度ものづくり、残り3校は地域の教育ニーズに対応した教育を目指す。

私立は危機感を感じつつ、中学受験掘り起こしの期待も

 迎える私立は、公立中高一貫校の開校をどのように捉えているのか。日能研東海(名古屋市)企画情報部長の藤原康弘さんは次のように話す。

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