「やらない理由」より「やりたい気持ち」

 夢をかなえるために必要なのって、やっぱり気持ちが一番大事なんじゃないかな、ってよしおは思う。なんでもそうだけど、ちょっと考えすぎてしまうと前に進めないことって多いよね。よしおが芸人になるときもそうだった。お母さんから冷静に「あなたで笑ったこと一回もない」って言われたし(苦笑)。そんな状況を冷静に分析してしまったら、家族を笑わせたことのない人が芸人になるって難しい、って思ってしまう。

 お笑いコンビの錦鯉さんもいい例だよね。これまでの芸能界の傾向を考えたら「40歳過ぎて売れるなんて無理」って言われて当たり前。それを「ああ、そうだよなあ」って冷静に受け止めて辞めていたら、きっとM-1グランプリで優勝できていなかった。

「経営の神様」と言われている松下幸之助って知っている? 松下幸之助がとある講演会である人に「どうやったらそんなふうに経営できるんですか?」と聞かれて、「まずはできると思うことです」って答えたんだ。会場はポカンとした空気だったらしいんだけど、そこで「なるほど!そういうことか!」と実践したのがこれまた経営の神様の稲盛和夫さん。それだけ「強く思う」ということは大事なんだ。

 芸能の世界なんて、特に「気持ち」のウエートが大きいとよしおは実感しているよ。その時点で考えられる状況よりも、強い気持ちを優先した人が夢をかなえる側に行けると思うんだ。だからまずはやってみることから始めてみてほしいな。

 両立が心配だと言うけれど、それもやってみて試行錯誤していけばいいと思う。いま世界を舞台に卓球で活躍している張本兄妹の通っていた卓球場に取材に行ったことがあるんだけど、親御さんが「卓球だけじゃだめ、絶対に勉強・宿題をさせる」と言っていたんだ。勉強をしながら卓球でも素晴らしい成績を収めている人たちもいるから、やりようはあるはず。

 それに、難しそうなことってちょっと燃えない? 難しそうなことは、挑戦する人が少ないってことでもあると思うけど、よしおはそういう状況に燃えるんだよね。「あんまり人がやったことないことなんだ。やってやろう!」ってね。やらない理由を数えるより、やりたいわくわくを優先してほしいな!

次のページへ夢は笑われてなんぼ
1 2 3 4