■「子どもの才能を見つける目」を養おう!
―― これから、この連載では具体的な悩みを寄せていただいて、小川先生に「才能タイプ」を診断していただきながら悩みに答えていただきます。
僕は今の社会課題への一つの回答として、子どもの才能を解析する診断システム「コドモトメガネ」を開発しました。お子さんのタイプや個性、方向性を見える化させることで、親御さんの焦りをやわらげ、「才能タイプ」を踏まえた関わり方を考えます。お子さんの行動や好きな遊び、ちょっとしたしぐさから見えてくる頭と心の使い方を90タイプに分けて診断します。
たとえば「かんしゃくがすごいんです」というお悩みは、「感受性が高い」「内面からの表現欲求、エネルギーが強い」「まだ言葉を使いこなせない」などの掛け合わせから起きていると分析できます。今は怒ったり物を投げたりという行動しか取れないけれど、エネルギーの大きさは生かしていこう、というふうに関わり方を考えていきます。タイプに合わせたお手伝いの仕方、理解の仕方、安心感の渡し方をすることで、お子さんはうまく感情を伝えられるようになり、親御さんは見落としていた素晴らしい能力発揮のシーンに気づけるようになります。
――問題行動にみえるものも、「才能の表れ」という考え方なんですね。子どもではなく大人の視点が変わっていくことで問題が解決していく、と。
読者には、さまざまなタイプのお子さんの話を知ることで、子どもたちへの理解の幅を広げて、子どもたちの「才能を見つける目」を養っていってほしいです。「才能を見つける目」を装着した大人が10万人増えたら、社会がどれだけ明るくなるか! 子どもの才能が見守られていた地域社会が復活しますよ。
これからも、子どもの才能や、親の悩みの背景にある「思い込み」に気づき、子どもとの関わり方を選び直す、そんな連載にしたいと考えています。一人で抱え込まず、記事や動画を見てもらえるといいですね。
(構成/布施奈央子)
小川さんのYouTubeチャンネル「小川大介の『見守る子育て研究所®』」や、AERA with KidsのYouTubeチャンネルで、小川さんの話を動画で配信しています。