いい学校の見極め方とは?
矢萩:それはそうですね。学校でやるメリットとしては個人ではできない実験だとか研究に日常的に触れることができることです。その意味ではいい学校の見極め方としては専門性がある先生がいるかどうかと、実験などができる機材が揃っているかどうかが大きいですね。私立ですとやはり理科系の大学の附属の学校は機材が充実しているところが多いです。
安浪:先生の力は大きいですよね。一人の先生の力で高価な実験道具が購入できて、それをきっかけにサイエンスに力を入れている学校に変身した学校もありますし。理科教室の数も複数あって、理科棟みたいな設備を持つ私立もありますからね。
矢萩:スーパーサイエンスハイスクールに指定されている学校をチェックしてみるのもありでしょう。公立の学校でも、大学や工場並みの設備が整っていたり、企業と連携して商品開発を行ったり、専門家が実務家教員として関わったりしているケースもあります。
安浪:化学部、物理部、生物部などの理科系の部活はそれこそ文化祭に行くとレベルが一目瞭然です。でも何より大事なのはそこにいる子たちが楽しんでやっているかどうかかなと思っています。相談者さんの息子さんの求めるものも機材が充実しているところでじっくり研究をやりたいのか、自分の好きな実験を友達と仲良くワイワイやりたいのか。それも学校見学に行く中で理想の形が見えてくるのかもしれませんね。
矢萩:ただし、理科だけで受験できるパターンはそうそうないので、その学校に入るためにどういう受験が必要なのかは戦略的に考えないといけないです。理科が好きだからといって4科受験を選ぶ必要は必ずしもなくて、国・算の2科受験の方が入りやすいパターンもありますから。
安浪:受験の怖いところって理科が好きだからあの学校に行きたいとなったとき、そこにご縁がないと全部崩れちゃうところです。何か目的を失ってしまうみたいな。だからあまり目的をひとつだけに絞り込みすぎないほうがいいのかな、と思うところもあるのですが……そのあたりは矢萩さん、どう思います?
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