ガザ国境近くのキブツ(共同農場)「ナチャル・オズ」に住む50歳のオーレン・チェリーさんという知人に話を聞きました。幸いなことに、彼の家族は試練を乗り越えました。オーレンさんが早朝にミサイル警報サイレンを聞いたとき、彼は妻と9歳と15歳の子どもたちと一緒に、爆撃から保護するためにつくられたコンクリートの安全な部屋に避難しました。11時間の間、彼らは電気もインターネットもなしに、隔離された屋内にとどまり、外での執拗な銃撃と爆発音に耳を傾けました。パレスチナ人の侵入者は彼らの家を略奪さえしましたが、オーレンさん一家はイスラエル軍が最終的に彼らを救うまで、避難していた部屋をあえて離れませんでした。
しかし部屋を出たとき、彼らは家が略奪され、破壊されたことに気づきました。台所には1人のテロリストの遺体がありました。彼らは現在、イスラエル北部の親戚とともに安全な場所に滞在し、恐ろしい経験から少しずつ回復しています。
悲劇的なことに、パレスチナのテロリストは容赦を示さず、あらゆる年齢と背景のユダヤ人を無差別に標的にしました。彼らはまた、約130人のイスラエルの民間人らを誘拐し、一部の人々は残虐行為にさらされているといいます。
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〇Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授。トルーマン研究所所長を経て、同大学人文学部長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年ヘブライ大学にて政治学および東アジア地域学を修了。2007年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に贈られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。2012年、エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。