授賞式は8月18日、東京都現代美術館で行われた。最優秀賞に輝いたのは、新潟県長岡市のフリースクールに通う子どもたち7人のグループ「あうるの森」。学校に通えなくなった自分がフリースクールで仲間と出会い、居場所を見つけるまでを、教室や海の映像、エモーショナルな音楽、ナレーションで見事に表現した。

最優秀賞を受賞した作品(TikTokより)

 中心メンバーのひなたさん(13歳)は、「学校以外にも居場所があると伝えたかったし、受賞して東京にも行ってみたかった。映像や音楽などをみんなで分担して考え、見てくれた人が元気になれる動画作りを心がけたので本当にうれしい」と率直な気持ちを話した。

 会場に集まったほかの受賞者からは「今いる場所がすべてではないと伝えたかった」「SNSでは不登校に対して厳しいコメントもあるが、逃げてもいいんだよと思ってくれたら」といったコメントが届けられた。

審査委員長の中川翔子さん(写真提供:全国不登校新聞社)

 審査委員長を務め、自身も不登校の経験を持つ中川翔子さんは、今回の選手権について力強いエールを送った。

「夏休みが終わってしまう恐怖は、とてもよくわかります。自分も目覚めると『また朝が来てしまった。消えたい』という気持ちに襲われていました。今、不登校で苦しんでいる人たちが今回の投稿をなにげなくTikTokで見かけたら、傷ついているからこそ、それらの言葉がスッと入ってくることがあると思う。『そういう人がいるんだ』と、勇気や心の光となるかもしれないし、未来を変える力になります。私はよくコンサートなどで『死ぬんじゃねーぞ‼』と言葉をかけますが、生きていれば見つかるものがある。どうか『生きていてよかった』にたどり着いてほしい」

※13歳未満はTikTokの使用はできません。

(取材・文:AERA with Kids編集部)

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AERA with Kids編集部
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