ルールも定めて信頼関係を構築

 子どもに手出しや口出しをせず、やりたいことをやらせるスタイルで育てると、わがままな子、協調性のない子に育つのではないか、という懸念もあるだろう。伊藤さんは「もちろんある程度の枠組みは必要です」と語る。

「モンテッソーリ教育の幼稚園や保育園では、自分が出したおもちゃを元の場所に片づけるというルールがあり、部屋の中はいつも整頓されています。おうちでも、たとえば11時50分に片づけをして12時に昼食、という場合は『長い針が10のところになったらお片づけしよう』と前もって声をかけておくと、小さい子どもでも片づけをするようになります」

 ルールを作りながらも子どもの意思を尊重し、「九つの知能」を伸ばしていく。そうやって自ら主体性を育んでいく子どもは、親の想像を超える成長を見せてくれる。

■伊藤美佳/0歳からを対象とする乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事で、28年間の教育活動で2万人以上の子どもたちと関わってきた。『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)など著書多数。

(文・池田敏明)

※『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2024」』は2023年7月発売予定

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池田敏明
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